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外科療法
手術はガン腫瘍を切除する方法で、ガンの最も一般的な治療法です。症状によってガンの発生した臓器をすべて取り除く「全摘術」、臓器の一部を残してそれ以外ほとんどの臓器を切除する「亜全摘術」、ガンの発生した部分だけを切除して臓器のほとんどを温存する「部分切除」、ガンの発生した臓器とその隣接する臓器を切除する「拡大切除・広汎全適」などがあります。
| 全摘術 |
ガンが周りの臓器に浸潤していなかったり、転移がない場合にはガンをすべて取り除くことができますが、臓器をすべて取ってしまうので、その機能は失われてしまいます。 |
| 亜全摘術 |
切り取った臓器の機能は低下しますが、臓器の機能は失われません。しかし、残した臓器の部分からガンが再発する危険があります。 |
| 部分切除 |
臓器の機能はほとんど手術前と変わりませんが、亜全摘術と同じく、残した臓器の部分からガンが再発する危険があります。 |
| 拡大切除 |
ガンが周りの臓器に広がっていなかったり、ほかに転移がない場合はガンを完全に取り除くことができますが、やはり取り除く臓器の機能は完全に失われます。 |
レーザー治療法
高出力レーザーの熱エネルギーを利用して、腫瘍を焼き切る方法で、内視鏡を併用して治療されることが多く、Nd-ヤグレレーザー・KTPレーザー・ダイオードレーザー・炭酸ガスレーザーなどの種類があります。
Nd-ヤグレーザーは内視鏡が挿入できる部位であれば、どこでも治療の対象になります。肺がん・食道がん・大腸がん・膀胱がん・子宮頸がんなどの治療に適用され、応用範囲の広い治療法です。特に消化器系のガンの治療には多く応用されています。
炭酸ガスレーザーはNd-ヤグレーザーより波長が約10倍長いので、腫瘍の深いところまで治療できます。脳腫瘍・喉頭がん・舌がん・子宮頸がんなどの治療に用いられています。
内視鏡療法
内視鏡は長い管の先に特殊なカメラをつけたもので、その先にスネアーと呼ばれる金属製の丸い輪を取り付けます。それで悪い部分をはさんで、高周波で焼き切るのです。
この治療は体への負担が軽く、全身の状態が悪い人や高齢者などにも使用できます。しかし、内視鏡治療は胃や大腸がんのうちでも粘膜にとどまっているものに限られていたりと、治療できる範囲がそれほど広くありません。さらにガンの取り残しや合併症などの危険もあります。
放射線療法
X線やガンマ線といった放射線を患部に当てて、がん細胞を壊して細胞分裂ができないようにしてしまう治療法です。過去にはがん細胞だけでなく、その周りの正常な細胞も放射線によって障害を受けてしまうこともありましたが、現在は照射法をくふうしたりしてできるだけがん細胞のみを狙えるようになっています。
手術と比べると、からだを傷つけたり、治療の際の痛みなどは感じることはありません。しかし、放射能を当てるわけですから、少なからず副作用が出ることがあります。
その種類としては、テレコバルト装置(ガンマ線)、ライナック(リニアック)装置が主流になっています。
温熱療法
がん細胞は42.5度あるいは43度以上に加熱すると急激に死にます。ガン組織の部分は正常細胞にくらべて血流が悪く、温度が上昇しやすくかた、さめにくいという特徴があります。ですからガンのある患部を加熱すると、血流の悪いガン組織が先に加熱されて、大きなダメージを与えることができます。
温熱療法は大きく2通りに分けられます。1つは電磁波・温水などを利用する局所加熱法、もうひとつは血液を体外循環させて過熱した後、再び体内に戻す全身加熱法です。
温熱療法は、今までの放射線治療では難しい大きな腫瘍や、放射線治療や化学治療の効果が乏しいガンに使われます。
化学療法
化学療法は、抗がん剤を使ってがん細胞の分裂を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。抗がん剤は錠剤を飲んだり、静脈に注射することで全身のすみずみまで運ばれて、体内にひそむがん細胞を攻撃して破壊します。前進のどこにがん細胞があっても、それを全滅させる力があるので、転移などが疑われる症状や、手術後のガンの再発を防止する場合などに使われます。
しかし、抗がん剤はがん細胞を破壊するだけでなく、正常な細胞も攻撃してしまうという欠点があります。がん細胞はもともと私たちのからだの正常な細胞が変化してできたものですので、残念ながら抗がん剤には細胞が正常細胞かがん細胞かの区別はできないのです。
そのため、抗がん剤で正常な細胞もやられてしまい、その機能が衰えて患者に吐き気・脱毛・全身のだるさなどのいろいろな副作用を感じさせてしまうのです。もちろん白血球の減少もよくある副作用で、この値があまりに低くなると無菌室に入らなければならないような状態にもなります。
近年では、副作用の異なる複数の抗がん剤を同時に使ったり、副作用防止剤(シスプラチンなど)を使い、副作用をコントロールする方法がとられています。
ホルモン療法
ある種のがん細胞はがん細胞の発育にホルモンを必要とします。そのため、特定のホルモンを分泌している内臓を手術で取り除いたり、注射や錠剤でそのホルモンと反対の作用をするホルモンを与えたりして、がん細胞の発育を止める治療法です。
この療法は特定の臓器のがん細胞を攻撃するだけで、正常細胞にはまったく影響を与えません。しかし、治療の対象となるのは乳がん・子宮体ガン・前立腺がん・甲状腺がんなどで限られています。
免疫療法
私たちのからだは、外部から侵入してきた異物を攻撃しようとする機能が備わっており、その機能を免疫といいます。たとえば風邪を引いたときに私たちの中でこの免疫が機能して風邪のウイルスを退治することで風邪を治すことができるのです。
しかし、ガンの場合はその細胞がもともと正常なものだったため、免疫機構ががん細胞と正常細胞の区別をつけることができにくく、攻撃の対象となりにくいため、がん細胞は大きくなりやすいのです。さらに、がん細胞が攻撃の対象となったとしても、がん患者はガンを攻撃する免疫力が弱くなっているため、ガンの自然治癒力はほとんどおこりません。
そこでがん患者の免疫力を高めて、自然治癒力でがん細胞を退治しようとするのが免疫療法です。免疫力を高める「免疫賦活剤」を使ったり、がん患者の免疫担当細胞を試験管の中で活性化して、体内に戻したりする方法があります。また、がん患者自身の血液やガン組織からリンパ球を取り出し、活性化したあと増やしてから血管内などに戻してやる、養子免疫療法と呼ばれる治療法もあります。
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